最近、テレビで中国人の妻が殺人を犯したという報道が、
お茶の間を賑わしている。
幼稚園児殺人、インスリン殺人…
中国人の女性って怖いなぁ。率直にはそういう印象を受けてしまう。
ある、報道番組の中で、例のごとく中国人の妻の報道があった。
コメンテータの方々は、
『中国から日本に来て、言葉も違う、文化も違う、習慣も違う…』
そういったよくある意見をされていた。
その中で、こういう趣旨の意見をした方もいた。
『中国人の妻が殺人を犯したと今よく言われているが、
日本人の妻が殺人を犯したなんて報道されないですよね。
果たして、日本人の妻は殺人を犯さないのでしょうか?
いや、たくさん起きています。報道されないだけですよね。
日常的だから。
中国人の妻が殺人を犯したということをクローズアップして報道するのは、マスコミが煽りすぎじゃないのでしょうか?』
自分は、この意見に突き刺さるものを感じた。
過去にふと、不登校生による殺人事件を思い出した。
たしか、2例3例ほど挙げて報道され、まるで不登校生は思考が正常でなく、殺人を犯す危険があるかのような報道に非常に憤りを覚えたのだ。
不登校生が殺人を犯すという以前に、青少年全般の殺人事件は年々増加しているではないか。
大人だって殺人を犯している。
なぜ、『不登校生』というレッテルで、クローズアップされなければならないのか。
本当に腹が立った。その報道のせいで、不登校の子たちがどれだけ傷つくと思っているのだと。
今回の中国人の妻による殺人事件にも通じるものがある。
あまりピンとこないことかもしれないが、ニュースを見る際には、マスコミの報道にもブームがあることに着目しなければならない。
「拉致問題」、「耐震構造計算書偽造」、「証券取引法違反問題」…
これらはまるで今だけ立て続けに起きているかのように取り上げられているが、すべて少なからず多からず昔から継続していることなのである。ニュースに取り上げられているときだけが、問題や議論が起きているのではない。
マスコミが煽ってブームを作り出している。
それは、問題を啓発するという意味では有効であるが、行き過ぎると偏向報道である。
ニュースを見てて大事なのは
煽られることなく、その報道の中にある真意を抜き取ることだと思う。